物々しいタイトルですが、先日この本を読みました。著者は、橘玲さん。この方の本は勉強になって面白いです。
≪目次≫
- 結婚して6年専業主婦をしています
- 専業主婦ってリスキーな生き方だと感じ始める
- 「専業主婦」、「子持ち」女性の収入やキャリアの落とし穴
- 専業主婦の私がこれから目指すこと
- 子供がいても、罪悪感なく、思う存分働ける世の中に。
結婚して6年専業主婦をしています
私は結婚してからこの6年間、ずっと専業主婦です。
結婚を機に退職し、ずっと無職です。
無職といいながら2年間ほどパートをしていましたが、時短の週3勤務。スキルが身につくわけでもなく、5万円ほどのおこづかいを稼げるだけでした。
なぜずっと専業主婦だったかというと、結婚半年後に息子を授かったことが大きいです。つわりはかなり辛く、お腹は張りやすく、妊娠中は仕事どころか家事もままならなかった。
いざ子育てが始まると一日中子供のお世話に追われ、「子育てってこんなに大変なの?」と、1年はあっという間に過ぎていきました。
子供が1歳を過ぎると、仕事をしたいと思うことも増えてきたけれど、「子供の預け先」「子供の体調不良でたびたび仕事を休むことになるんだろうな」「仕事と家事育児の両立できる・・・?」と考えるほど弱気になり、決断はできませんでした。
頼れる人がいない環境での育児は、己の健康と体力が唯一の支え。それを削るのがとにかく不安だった。さらに、私の場合時間的精神的ゆとりをなくすと、子供への接し方がギスギスするのが火を見るよりも明らかでした。
さらに自分の中で障壁になったのは「子供を預けるのがかわいそう」「子供に寂しい思いをさせるのでは」という心をもわもわーっと満たす罪悪感でした。
専業主婦ってリスキーな生き方だと感じ始める
終身雇用は破綻、大規模なリストラ、そんなニュースをみるにつけ、夫が働いてくれているから大丈夫!と、未来にまでわたる安心感を私は持てなくなりました。
それに、”収入源は自分のみ”という夫が抱えているであろうプレッシャーも相当なものではないかと思います。
今のところその心配はない(はず)ですが、もし夫と仲たがいしてしまったら、そもそも夫の扶養から外れてしまう。職もない、金もないおばちゃんは経済的に最下層に一直線だよなと思うわけです。
そうしたなかで、「専業主婦は2億円損をする」を見つけたので読んでみました。
「専業主婦」、「子持ち」女性の収入やキャリアの落とし穴
本によると、まず専業主婦は2億円をドブに捨てているのだとか。これは単純に新卒から60歳まで働いた場合、平均的な収入の合計が2億1800万円になるためです。
もし仕事をしていたとしても、出産すると状況は変わります。
これまで第一線で働いていた女性が出産をすると、「子供がいるのに男性や独身女性と同じように働かせてはかわいそうだ」と残業なしの仕事(マミートラック)が用意されます。
実際、育児を一手に担う女性が多いので、育児の時間を確保したいとマミートラックを選ぶ方は多いでしょう。
しかし、会社は「就業時間」をたくさん捧げてくれる、滅私奉公してくれる忠誠的な社員を求めています。
こうして「マミートラックを選んだ女性」と「会社に滅私奉公する社員」とで出世、収入に格差が生じます。働きたい女性にとってはつらい現実です。
以下、本文の引用です。
出産を機に会社を辞めた女性に理由を訊くと、第一位は「子育てに専念したいから」ではありません。「仕事の不満」や「行き詰まり感」です。
なぜそうなるかというと、日本の社会は、形式的には男女平等でも、滅私奉公できない女性社員を「差別」しているからです。彼女たちは望んで専業主婦になったわけではないのです。
(夫は長時間勤務。働いた経験がある女性はそういった事情がわかるので、早く帰ってきてとは言えない)こうして専業主婦は子育てのすべての責任を一人で背負うことになりますが、どれほど苦労しても、まわりは「専業主婦で幸福なんでしょ」と思っているのでまったく同情してくれません。専業主婦は、じつはものすごく孤独なのです。
「こんなはずじゃなかった。わたしだってはたらきたかった」と思っても、いったん正社員のキャリアを絶ってしまうと、よほどのことがないかぎりパートか非正規の仕事にしか就けません。
私はそこまでキャリア志向の人間ではないですが、それでも「子供を生むと前のように自由に職業選択するのは難しい」「なんなら、仕事をすることも難しい」というジレンマをすごく感じています。
専業主婦の私がこれから目指すこと
本の第六章「賢い女子はニューリッチを目指す」は面白いので、読んでみてほしいです。
ざっくり紹介すると
・これからは、専業主婦はなにひとついいことがなくなる
・好きな仕事を見つけて、それを”スペシャルな仕事”にする
・スペシャルな仕事をずっと続けて「生涯現役」になる
・独身ならソロリッチ、結婚するならダブルインカムの「ニューリッチ」を目指す
・フリーエージェント戦略で、カッコいいファミリーを作る
いまの日本に必要なのは、「はたらきながら子育てできるし、こんなに幸福に暮らせる!」というロールモデル(理想像)です。
現段階で私が目指しているのは、どこに行っても(夫の転勤でどこに飛ばされるかわからない&不定期)、家庭がどんな状況(子供が小さい、子供が体調不良など)でも働けるフリーエージェントな生き方です。そのためのスキルを身に着けようと、目下勉強中。(勉強についてはいつか書きたいと思います)
家事も育児も引き続き頑張ります。ただ私の場合、家事や育児などだけで暮らしていくのは向いていないので、自分の好きなこと興味のあることにアンテナを張っていきたいと思っています。
子供がいても、罪悪感なく、思う存分働ける世の中に。
選択肢などなく、働くしかないお母さんもいます。
働きたい、でも決断ができなくて働けないお母さんもいます。
状況は人それぞれですが、どちらのお母さんも共通に悩むのは「子供を預けるのはかわいそうなのでは」「寂しい思いをさせるのでは」という罪悪感や不安、外からの声だと感じています。
先日、ママ友たちと話していたら「働きたいけど、子供の急病や長期休暇に理解を示してくれる職場はあまりない」「子供を預かり保育や学童保育に預けっぱなしにしないと働けない。それにはやはり抵抗がある」という話が出てきました。みんな仕事について悩んでいました。
「子供を預ける=かわいそう、寂しい思いをさせる」ではなくて、「子供を預ける=いろんな人といろんな体験ができて、楽しい時間を過ごせる」という前向きな意味を社会全体でより一層持てるようになると幸せだと思います。
そのためには、保育・教育施設への助成や働く方の処遇改善などが必要です。保育士さんにしても、学童保育のスタッフさんにしても給料が低いことが問題になっています。
たくさんいる家族や地域のコミュニティーみんなで助け合って子育てをする時代は終わり、今は多くの家庭で母親一人が育児の責任を担っています。
親として責任をもって子育てするのは当然ですが、母親一人に「良き親」をもとめて「母親なのだから子供に滅私奉公しろ!」ではなく、必要ならば保育サービスを当たり前に利用できて、そのことで罪悪感を抱かなくていい社会になるといいと思います。
母親だって、一人の人間だし、社会人です。
女性が働くことで、働き手は増えるし、税収や社会保障は増えるから、メリットはたくさんある。本では共働きのほうが出生率が上がるというデータも紹介されていました。
子育てしながら働けて、幸せに暮らせるロールモデル、それが増えていくといいな。
私も我が家なりのモデルを作っていきたい。