転勤妻ワンオペ育児ブログ

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HELPING CHILDREN

自分自身の子育ての悩みや児童福祉の分野に進みたいとの思いから、子育てや教育に関する本を興味深く読んでいます。

最近よく目にする”非認知能力”についての本を探していて、HELPING CHILDRENという本を見つけました。

今子育てをしている方、教育関係のお仕事をしている方にも気づきのある一冊かなと思います。

 

≪目次≫

 

非認知能力って何?

 数字や読み書きなどの認知能力ではなく、

①一つのことに粘り強く取り組む力、

②自制心

③意欲的に物事に取り組もうとする心

④楽観主義

⑤人とコミュニケーションをとれること

など、感情や心の働きに関係する能力の事を言います。

 

この能力は、0~3歳くらいの幼い時に特に育まれる能力で、

人生最初の3年に成功に影響を及ぼす脳の発達が起こる

と、本書では書かれています。

 

ある研究によると非認知能力が高い子のほうが学歴や収入が高く、健康で、シングルペアレントになる可能性が低く、借金や刑務所に入るリスクが低くなるという結果が出ており、幸せな人生を送るために必要な能力として注目され、研究されています。

 

非認知能力を高めるには

本書では様々な研究の結果により、非認知能力を高めるには「親と子供の安定的なアタッチメントを育むこと」が最も効果的と書かれています。アタッチメントというのは親と子の間に形成される愛情のこと。

ある調査によると、子どもともっと遊ぶようにと指導した親の子供は、何も指導されなかった親の子供より、大人になった時の年収が平均25%高いという結果がでました。

年収はひとつの指標に過ぎませんが、高められるなら非認知能力高めたいです(ゲンキンですみません)

 

安定的なアタッチメントとは

①子供が動揺しているときに、親が子供のもつれた感情に鋭敏に、注意深く反応する

②子供の関心を共有し、反応する

 

①については、子供が泣いたり怒ったりしているときに、厳しい反応を取るのでなく、子供が瞬間的なストレスに対処するのを助け、落ち着きを取り戻すのを手伝うこと。親が適切にサポートすると、子供のストレス対処能力にプラスの影響を与える。

 

②については、子どもが見ているもの、泣き声や片言のおしゃべりに「あらあら、悲しいの?」「わんわんだね」としぐさや表情や言葉で反応する。

特別な教育が必要ではなく、日常の”当たり前な”ふれあいこそが、非認知能力を育てるのに大事なんですね。

 

HELPING PARENTも必要じゃない?

①にしても②にしても、特別なことではなく、そんなの当たり前でしょうという方もいらっしゃると思います。

だけど、ワンオペ状態で常に①と②を意識して子供と関わることは、言うほど簡単ではないと私は思います。

休みなし待ったなしで家事や仕事などに追われつつ、いろんなことをやらかし、要求をしてくる子供に常に落ち着いて安定して反応するって、すごい難しくないですか?

子供にやさしく、落ち着いて接したいって、多分多くの親が望んでいると思います。

だけど、現実は多くの家庭でワンオペ育児が行われていて、育児の体力的負担や精神的な負担を一人で背負っている状態です。

 

本の中でもこんなことが書かれていました。

ストレスにさらされている親はストレスのない親より、子供に対して配慮の行き届いた落ち着いたアタッチメントを育むことが難しい。

ほんとうの障害は、親自身がイライラしていたり、睡眠不足やうつ気味の状態にあったりして、泣き叫ぶ子供、汚れたおむつをしてろくに昼寝もしてくれない子供の相手をする気になれないことなのだ

子供を生んだ以上、子供を愛し、一生懸命お世話をしたいと多くの親が思っています。そしてその責任は当然ある。

子供の健やかな成長のためにも、その保護者である親のサポートが必要なのではないでしょうか。

 

親への心理面のサポート

本で紹介されていたもので、親への心理面や感情面での支援というのがすごくいいなと思いました。

それは、コーチとよばれる人が家庭訪問し、子供と親のかかわりをみて「子供のつくったきっかけに上手に反応したね」「本当にうれしそうな、いい笑顔!」「子供が泣きだしたとき、あなたはこの子のおでこを撫でた。いい対応だった」と声をかけます。

コーチは親子間のつながりやアタッチメントを強める行動を褒め、そこへ注意をむけさせ、よりよい子育てをできるように手助けをします。

 

育児で不安を抱える→それがストレスになる→不安定なアタッチメント→不安抱えるという負のエンドレスループが生まれがち。

そこを第三者に見てもらい、子供といいかかわりが持てるよう自信をつけてもらう、話を聞いてもらう、というかたちのサポート。

他人からの干渉がいや、という方もいると思いますが、私個人は自分と子供の間にコンサルタントが入るのは悪くないと思います。

 

子供がのびのび成長していけるように

子供と安定したアタッチメントを育むには、親側の時間的精神的ゆとりが必要です。

時間がないとそもそも子供とコミュニケーションをとることも難しいし、親が精神的に不安定だと子供の癇癪やイヤイヤなどにやさしく付き合うのは難しいです。

「親なんだから当たり前だろ!」とか「子供のためならできるだろう」という根性論では、つぶれる親が必ずでてきます。

この親側のゆとりを確保することがひいては少子化にも有効だと思います。ゆとりがないと「子供を生もう!」と思えないです。

それが経済的な措置なのか、制度的な措置なのかは私も勉強中です。

 

最後に、毎日育児を頑張っている皆様、お疲れ様です!!