ネウボラという言葉を聞いたことはありますか?
ネウボラというのは、フィンランド発祥の子育て支援制度のことです。
ネウボラとは、「助言の場」とか「アドバイスの場」という意味で、妊娠が分かった時から子育て(就学まで)を切れ間なくサポートするものです!
今後、日本にもどんどん広がっていくネウボラについて紹介します。
ネウボラとは
あらゆるサービスをワンストップで
フィンランドでは妊娠の兆候があった時、産婦人科ではなくまずネウボラに行きます。妊婦健診は無料で6~11回受診可能で、健康面だけでなく、妊婦の不安や家庭状況なども面談で細かく聞き取りを行うそうです。その際、必要に応じて自治体や医療機関、養護施設などと連携を取ってくれます。
出産は病院ですが、産後からお母さんと子供の健診はネウボラを中心に行われます。15回程度の定期健診や発達相談を受けられ、そのなかには父親やきょうだいが受けるものも含まれます。
日本にも妊娠、出産、子育てをサポートする施設がたくさんありますが、窓口はバラバラでそれぞれに連絡したり、足を運ばないといけません。
例えば、妊娠したかなと思ったら産婦人科、母子手帳は役所、母親学級は保健所というように様々なサービスを受けようと思うと、何か所か巡らないといけません。
子育てが始まると、小児科、保育園、幼稚園、役所、保健所などまたそれぞれの窓口に行かなくてはなりません。
担当の保健師が継続して支援してくれる
フィンランドでは妊娠中から産後まで、同じ助産師さんが関わってくれます。というのも、妊娠期から対話を続けて、気軽に相談できる信頼関係を築くことが大切と考えられているからです。
確かに、家庭内のこと、経済的なこと、健康のことなどは本当に信頼した人にしか話せない深い話題ですよね。このように、家庭内の状況やお母さんの些細な変化をいち早く知ることで虐待などの予防にもつながっているそうです。
日本でもスタートしたネウボラ事業!
妊娠、出産、育児に不安を抱える家庭が増える中、日本でも子育て世代包括支援センター(ネウボラ事業)が拡大しています。
2018年4月では、子育て世代包括支援センターは761市区町村(1436箇所)に設置されており、2020年度中に、全国すべての自治体に設置することが目標とされています。
どんなサービスが受けられるの?
自治体によって事業がことなりますが、例えば・・・
・母子保健相談
母子保健コーディネーターを配置し、妊娠期から子育て期に必要な情報を提供、複数の関係機関と調整し必要な支援につないでくれる。また定期的なフォローを行う。
産科医療機関の空きベットを利用して、育児のサポート(授乳指導、沐浴、育児相談)や乳房ケアを行い、母体の休息をはかる。
・デイケア
産科を退院した直後の方に対し、健康面の悩みや育児への不安などを軽減するため、日帰りによる心身のケアや休養等の支援を行う。
・母子支援ヘルパーの派遣
母親の体調不良や産後うつ、リフレッシュ等のために、育児経験のある支援ヘルパーによる在宅支援を行う。
お住いの自治体の支援事業を調べてみましょう!
日本版ネウボラに期待すること① 1か所で手続きさせて!
役所関係は見事に縦割りで手続きがめんどくさいので、各部署で連携取るなりして支援センター1か所で様々な手続きができるようにしてほしい。母子手帳、母親教室、ファミサポ、療育教室など・・・
日本版ネウボラに期待すること② 声があげやすいようにして!
息子を出産後、名古屋の自宅に保健士さんが来てくれましたが、体重をはかったら「順調順調」と速攻帰って行かれました。基本的に、ハイリスクな方しかフィルターにかからないのだろうなと思います。保健士さんは多忙で仕方ないですが、育児の悩みとか不安とかを話せる感じではありませんでした。
また、少し子供が大きくなってから児童館(子育て支援センター)に行くようになりましたが、そこの職員さんも基本的に職員室にずっといて、お母さんとお子さんで好きに遊んでくださいというスタイル。おもちゃが豊富なのはありがたいのですが、子供とぽつんと遊んでいても心が晴れないことが多かったです。
何が言いたいかというと、別に親子一人一人のカウンセラーとなってじっくり話を聞いてほしいということではなく、少しはそこにくる親子に目をむけてもいいんじゃないか?ということです。
公民館などで行われた育児セミナーにも参加しましたが、いろんな相談をできるような場所は私は見つけられなかった。
育児がしんどいんです、つらいんですって、声は上げにくいです。ネウボラがその声なき声を上げやすい場所になるといいなとおもいます。
なんだったら世間話でもいい。少しでも話して、心が軽くなるお母さんもいるのではないかと思います。
全部の市町村に早く広がるといいなあ!